Darkness † Marker 4   【大禍時】

「でも、それがどうしてオレの右手な訳?」


裕一郎は女の霊がやたら執着していた様子を思い出して、首を傾げる。


「あれは霊の勘違いだ。その力が別の空間へ繋がっていると、思い込んだらしいな」

「だったら、そのままオレの力を使えば良かったんじゃ…」

「それがそうもいかない理由があってな」

言いかける彼の言葉を遮ると、

「はぁ…」

らしくないタメ息をついて、河村は歩きだした。


「?」


その後を裕一郎が追う。

夕暮れを過ぎてすっかり藍色に染まった薄闇の道、2人は並んで車を止めた場所に向かった。


「霊道は、お前にとっては厄介な存在なんだ…」


「オレにとって厄介?」


言われて、裕一郎は未だ符呪を握り締めている右手を見る。


「あぁ、まだ開くな。そのままにしてろ」


指を開きかけた裕一郎の手を、河村が慌てて押さえた。

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