Darkness † Marker 4   【大禍時】

「裕、下がってろっ!!」


「あ、うん」


状況を察した裕一郎は、少し離れた所まで走る。


《逃がさないわよぉぉ…あんたも道連れ。そこの坊やも道連れ…みんな、みんな一緒に地獄へ行くのぉぉぉ》


女は河村の首に両手をかけようと伸ばす。

その指先が一線を越えた、その瞬間だった。


ぼおぉぉっっ!!


突如地面に書かれた文字が真っ赤な炎を吹き上げ、足元から這い上がるとたちまち霊の体を包み込む。


《ぎゃあぁぁぁぁ!!》


耳を塞ぎたくなるような甲高い悲鳴と残酷な光景に、思わず裕一郎は目を背けた。


「言ったはずだ、ここがあの世とこの世の境界線だと。お前は禁忌を犯した。よって魂は地獄の炎に焼きつくされ、魂は永遠に消える」


業火の中、ぐずぐずと焼けただれていく無惨な姿に顔色一つ変えず、河村は冷たく言い放つ。


《…おぼ……なさ……………》


女は怨みがましい視線で最後に彼を睨むと、炎の鎮火とともに目の前から跡形もなく消えた。

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