《嘘つき…さっき見たんだから…そこの坊やの体から、別の道が……》
女は低い声音でそう言うと、すうっと白く細い腕を裕一郎の方へと伸ばす。
《この、手の辺りから………!!》
「ストップ。そこまでだ」
その手を咄嗟に河村が掴んだ。
「本来むやみにお前たちと関わるのは禁じられてるんだが、こういう場合はやむを得んな」
《あなた、なぜ死者に触れるの!?》
さすがに腕を掴まれて、女は慌てたようだ。
じたばたと河村の手から逃れようと、もがく。
「これ以上、足掻いたりたり下手な行動を起こせば、俺はお前を強制的に闇へ落とす。…いいか、忠告はこれが最後だ。自分の意思で霊道へ戻れ」
《…や…いや…私はあの男に復讐するため、道を引き返すの…引き返すのよっ。大人しくあの世になんて、行ってあげない…私をこんなにした男を、同じ目に遭わせてやるんだからぁぁぁぁぁぁ》
叫び声を激しくあげた。
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