あの教室で見たものが霊道であるとするなら、自分の持つ闇は何と暗くて重たいものか。 飲み込む全てを《無》に帰す、冷たい闇。 そこに取り込まれたものは、裕一郎が吐き出さない限り2度と輪廻には戻れない。 行き着く先は、あの世でもこの世でもなく…存在そのものが消滅する。 人の感情を飲み込むことに抵抗はないが、生前者たちをそうすることにはずっと抵抗を持ち続けていた。 (人に非ざる者はどっちなんだか…) そう思うと悲しくなってくる。 .