「河村、いま手ぇ空いてるだろ!!」
いきなりバーンとドアが開いて、体躯のいい男が入ってきたのである。
「空いてねーよ」
背もたれに寄りかかったままのだらしない姿勢で彼は即答した。
「嘘つけ、どう見たって仕事してる風はないぞ」
男は勝手知ったる様子で事務所の中に入ってくると、デスクの前に立ちはだかる。
「部外者のお前が勝手に判断するな。俺は今、脳内で仕事を処理してるんだ」
目も合わせようとせず、クルリとイスを回転させると窓の外を向いた。
河村が最もここへ来てほしくないと思っている男・大河内双瀬(おおこうち・ふたせ)の登場に、うんざりとした表情を浮かべる。
「そんなこと言うな、仕事の依頼に来てんだぞ。お前、客に対してそんな態度をとるのか?」
「…入口の張り紙、見えなかったのか」
「張り紙?」
言われて双瀬は、入口まで戻ると張り紙を探した。
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いきなりバーンとドアが開いて、体躯のいい男が入ってきたのである。
「空いてねーよ」
背もたれに寄りかかったままのだらしない姿勢で彼は即答した。
「嘘つけ、どう見たって仕事してる風はないぞ」
男は勝手知ったる様子で事務所の中に入ってくると、デスクの前に立ちはだかる。
「部外者のお前が勝手に判断するな。俺は今、脳内で仕事を処理してるんだ」
目も合わせようとせず、クルリとイスを回転させると窓の外を向いた。
河村が最もここへ来てほしくないと思っている男・大河内双瀬(おおこうち・ふたせ)の登場に、うんざりとした表情を浮かべる。
「そんなこと言うな、仕事の依頼に来てんだぞ。お前、客に対してそんな態度をとるのか?」
「…入口の張り紙、見えなかったのか」
「張り紙?」
言われて双瀬は、入口まで戻ると張り紙を探した。
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