「お前は依頼人だ、大人しく寺に戻ってお経でもあげてろ」
最後に携帯を胸ポケットに入れると、双瀬にも帰るよう促す。
「おれも一緒に連れてけよ」
「嫌だ」
即答。
「うわっ、何だよそのキッパリとした断わり方は!!」
軽くショックを受けた彼は、髪を両手でバリバリと掻き毟りながら身を捩った。
「当然だろ?霊が祓えない坊主なんて、ただの足手まといだからな」
(第一お前と居たら、うるさ過ぎて出るもんも出なくなる)
河村は心の中で補足する。
「くそーっ」
気にしている事を面と向かってハッキリ言われ、双瀬はそれ以上返す言葉が見つからず悔しがる。
「……分かったよ、今日の所は大人しく帰ってやる!!」
どこかで聞いた事のある台詞を残し、仕方なく事務所を出て行きかけたその背中に河村は『ちょっと待て』と呼び止めた。
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最後に携帯を胸ポケットに入れると、双瀬にも帰るよう促す。
「おれも一緒に連れてけよ」
「嫌だ」
即答。
「うわっ、何だよそのキッパリとした断わり方は!!」
軽くショックを受けた彼は、髪を両手でバリバリと掻き毟りながら身を捩った。
「当然だろ?霊が祓えない坊主なんて、ただの足手まといだからな」
(第一お前と居たら、うるさ過ぎて出るもんも出なくなる)
河村は心の中で補足する。
「くそーっ」
気にしている事を面と向かってハッキリ言われ、双瀬はそれ以上返す言葉が見つからず悔しがる。
「……分かったよ、今日の所は大人しく帰ってやる!!」
どこかで聞いた事のある台詞を残し、仕方なく事務所を出て行きかけたその背中に河村は『ちょっと待て』と呼び止めた。
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