Darkness † Marker 4   【大禍時】

河村は地図に視線を落としたまま、真顔で言う。


「?」


その言葉の意味が理解できなくて、裕一郎は小首を傾げた。

最後に少し離れた少年の通う高校に印をつけると、

「とりあえず依頼調査の第1段階は終了だ」

河村は地図をたたんで、上着を羽織りだす。

「裕、行くぞ」


「えっ…行くってどこに?」


「決まってるだろ。目撃現場に、だ」

「今から?」

「今からじゃないと意味がない。待ってるから、急いで着替えてこい」


「あ、うん…」


言われて、制服姿の裕一郎は自分の部屋へと入っていく。

慌ただしく出かける準備を始めた2人に、


「おい…ちょ、待て。おれは?」


双瀬は焦った声を出した。

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