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「で、その妙な場所を詳しく調べたのか?」
コーヒーを一口飲んで、河村は尋ねる。
「ホームルームが始まったから、霊の後を追うよう式蝶を飛ばしてみたんだけど…」
裕一郎は言い淀んだ。
「まだ戻ってきてないんだな」
「うん…その変な空間も、次に調べた時には消えたみたいでなくなってて…」
「なに心配しなくても、追跡に失敗したら俺のところに帰ってくるさ。…ただし、その時は式神返しとしてだけどな」
「…嘘だろ。オレが命令したんだから、その時はオレの所に返ってくるんじゃないの?」
「残念ながら、正式な持ち主はオレのままだからな。式には『お前を主に』とは言ってあるが、それも俺の命令に過ぎない。正式な手続きを踏まずに渡してるからな、そんなもんだろ」
平然とした顔で答える河村に、裕一郎は青ざめるとテーブルを叩いた。
コーヒーカップが一斉に派手な音をたてて跳ねる。
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「で、その妙な場所を詳しく調べたのか?」
コーヒーを一口飲んで、河村は尋ねる。
「ホームルームが始まったから、霊の後を追うよう式蝶を飛ばしてみたんだけど…」
裕一郎は言い淀んだ。
「まだ戻ってきてないんだな」
「うん…その変な空間も、次に調べた時には消えたみたいでなくなってて…」
「なに心配しなくても、追跡に失敗したら俺のところに帰ってくるさ。…ただし、その時は式神返しとしてだけどな」
「…嘘だろ。オレが命令したんだから、その時はオレの所に返ってくるんじゃないの?」
「残念ながら、正式な持ち主はオレのままだからな。式には『お前を主に』とは言ってあるが、それも俺の命令に過ぎない。正式な手続きを踏まずに渡してるからな、そんなもんだろ」
平然とした顔で答える河村に、裕一郎は青ざめるとテーブルを叩いた。
コーヒーカップが一斉に派手な音をたてて跳ねる。
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