「ねぇ、まま。これ、なぁに?」 コクッと首を傾げる心春。 くりくりの瞳が心咲にそっくりで、いつみても飛び抜けて可愛い。 「これはね、ママの大切な日記なの」 「日記?」 「そう。心春のママとパパを結んでくれた、愛のノート」 心春の問いかけに、心咲はそう答えた。 優しい表情で心春を見つめる心咲の横顔を見て、俺はこの10年間のことを思い出す。