私の胸の中にも、たくさんの“好き”が募っていく。 「………っ」 春斗の長い指先が私の唇をそっとなぞり、真剣な春斗の瞳と目が合って、体中が焼けるように熱くなった。 まるで全身が心臓に変わったかのように、私の胸がドキドキと鼓動を刻み始める。 「心咲……」 私の唇を見つめながら、そっと傾いた春斗の顔。 春斗、大好きだよ………。 心の中で何度もそう唱えながら、私はぎゅっとまぶたを伏せた。 次の瞬間、唇に触れたのは、やわらかくて温かい春斗の唇。 時間にしたら、多分数秒だと思う。