ルームシェア~7人の王子様~

「お願い!一生のお願い!」


補習の放課後。

すみれ荘へ帰ろうとした私を、
仲のいいクラスメイトの有紀が呼び止めた。


「だから……嫌だってば…」


「ほんっとにかっこいいの!お願い!」


有紀は筋金入りの歴女だ。

それで、駅前に"幕末喫茶"という歴史上の人物達のコスプレ?をした男性が接客している、喫茶店があるらしい。

どうもそこに、イケメン達が勢ぞろいしているらしく、どうしても行きたいらしいのだ。


「1人で行けばいいでしょ〜」


歴史に興味がない私が行っても、逆に申し訳ないし…。

私は有紀に掴まれた腕を振り解くように言う。


「1人で行くには勇気いるじゃん!」


「そんなの知らないよ…」


「パフェ奢るから!ね!お願い!」


「パフェ…?」


私の眉がぴくりと動く。

パフェは私の大好物。
うぅ……食べたい……。


「生クリーム3倍!!!」


「行きます」

私は有紀の取引に即答した。

これは行かなければ。


その答えに有紀は満足そうに笑うと、私を引きずるように、その噂の幕末喫茶に向かった。


私はこの時、まさかあんなことになるなんて思いもしなかった。