そんな物思いに耽っていると、
2階から一ノ瀬先輩がおりてきた。
「あれ?先輩、出かけるんですか?」
一ノ瀬先輩は、七分丈のカーディガンに長ズボンという格好をしていた。
オシャレすぎて、半袖短パンの自分が恥ずかしくなる。
「あぁ。夜ご飯…いらないから」
それだけ言い残して、
玄関に向かってしまった。
「も、もしかして…で、デート!?」
高城君が声を上げる。
「いや、あの蓮に限って女がいるわけ…」
悠希もそう言いながら、
何かに考えを巡らせているようだった。
そう言えば、私が熱を出して看病してもらった後も、このくらいの時間に出かけると言って寮を出ていった気がする。
その後も、その後も、週3.4日のペースで夕方頃出かけて夜中に帰ってきている。
悠希と高城君は目を合わせると大きく頷いた。
「すみれ先輩!追いかけましょう!!」


