ハァ、と溜め息をつくと、 グイっと腕を引っ張られた。 ポスっと誰かの胸に収まる。 顔を上げると、 真上に琉生君の整った顔がある。 ち、近い……。 背中にあたる琉生君の胸が暖かい。 そして、後ろから優しく抱きしめられた。 「こいつ、今日は俺だけのものですから」 私の肩に顔を埋めながら言う琉生君。 わ、私…これからどうなるの…!? みんなは噴火直前のマグマのような顔で私達を見る。 琉生君は、相変わらず勝ち誇った意地悪な笑顔でみんなを見ていた。