ルームシェア~7人の王子様~




"ばあちゃんを超えるのが、俺の夢"



そう言っていた南條君を思い出す。
すごいよ…南條君…。


知らず知らずの間に、
瞼に涙が溜まってきた。


人の心をこんなにも動かせるなんて…すごいよ…。


"恋人に宛てて書いた曲"


前までは、なんとなくそうなのかもって思っていたけれど、今ならすごく分かる気がする。


ゆったりした曲調に始まり、
途中で激しく荒くなる。
そして、最後は儚く可憐に終わる。


南條君の演奏が終わると、
一瞬会場が静寂に包まれる。


息を呑む演奏だった。


「ブラボー!!!」


審査員の1人が立ち上がり拍手をした。

それに釣られるように、会場中の人々が立ち上がり、口々に歓声をあげる。


今日1番の盛り上がりだった。
すみれ荘のメンバーも立ち上がる。


私は涙を拭いながら精一杯拍手をした。