ルームシェア~7人の王子様~



しばらく2人で待っていると、
遠くから南條君と高城君らしき人が歩いてきていた。


「南條君!高城君!」


私はその姿を確認すると、
一目散に駆け寄った。

途中で麦わら帽子がふわりと宙を舞ったけれど、私は気にせずに走り続けた。

駆け寄ってきた私を見ると、
南條君はふっと笑った。


「どんだけ俺に会いたかったんだよ」


冗談めかした言い方だったけれど、
私は首を縦に振った。


「うん、待ってた」


私はそう言うと、
大きく深呼吸をした。



「南條君……コンクールの舞台で…弾いてくれますか…?」



恐る恐る南條君を見上げた。

彼は自信ありげな顔で、


「あぁ。世界まで行ってやる」


そう言った。