「俺のばあちゃんさ、このコンクールで、銀賞だったんだ」 前に聞いたのを思い出す。 確か南條君のおばあちゃんはピアニストで、 その影響で、 南條君もピアノを始めたとか。 「だから、このコンクールで金賞をとれば、ばあちゃんを超えられる。俺の…夢だ」 その語尾には、 とても気持ちがこもっているように思った。 きっと、すごく、 何か思い入れがあるんだ。 「私は、誰よりも南條君の演奏を信じているし、応援してるよ」 私は南條君にそう告げた。 南條君は、こくりと頷くと髪の毛をいじりはじめた。