「やっぱり、すごいよ…ほんとに…。ピアノとか全然分からないけど、すごい…好き。南條君のピアノ…」
私の感想を聞くと、
南條君はほんのり顔を赤めらせた。
「んだよ…それ」
「私、変なこと言ったかな…?」
南條君は照れると髪をいじる癖がある。
それが2ヶ月間、
彼の側にいて気づいたことの1つだった。
それから、どんどん演奏がいきいきしてゆく。
初めて聴いた時よりも、
今は全然、曲に表情や、演奏している本人の感情が入っている気がするのだ。
それが、2つ目。
「絶対…優勝するよね」
私が呟くように言うと、
南條君は意地悪な笑顔を向けてくる。
「あぁ」
南條君はハァと息をついた。


