「ここを押しながらスティックで走ります。あ、あとここで攻撃っす。回復とかは、こっちでやるんで」
丁寧に教えてもらい、5分程度で基本操作はできるようになった。
「じゃあ、はじめるぞ〜」
もうすでに、南條君、一ノ瀬先輩、架神君、雨宮先輩のグループは狩りをスタートしているらしく、
一足遅れて私の初めての狩りはスタートした。
「悠希先輩の装備、かっこいいですね」
「素材集め結構だるかったからね」
しばらくは、和気あいあいとした雰囲気が続いていた。
私も、小さなモンスターを倒しながらみんなについていく。
と、次のステージに移った時、画面いっぱいに描かれたモンスターが現れた。
「なにこれ!?」
「これが、今回倒さなきゃいけないモンスターっす」
驚く私に、鈴屋君が説明してくれる。
モンスターはいきなり尻尾を振り回してきた。
その攻撃にくらってしまった私は、HPが残りわずかになってしまった。
「あ、ごめん…」
このゲームは、全体で3回HPが0になるとゲームオーバーらしい。
「大丈夫だよ」
「あ、先輩、俺が」
悠希の声に高城君が被せるよう言う。
その時、私のHPがぐんと上がった。
どうやら高城君が私のHPを回復してくれたらしい。
「ありがと」
そう声をかけると、高城君は満面の笑みで、いえいえ〜と言うと悠希にピースをした。
チッと悠希の舌打ちが聞こえる。
私がなんだろう、と首を傾げていると、鈴屋君が、
「気にしなくて大丈夫ですよ」
と声をかけてくれる。