次に口を開いたのは、
私の隣に座る黒髪の男の子。
「一ノ瀬蓮。3年…。よろしく」
赤と青のオッドアイの真っ黒な猫を膝に抱えている。
一ノ瀬先輩…。
サラサラの黒髪に色白で端整な顔につけた眼帯がとても目立っている。
無表情に向けられた片目で、まっすぐ私を見つめている。
「よっ、宜しくお願いします、一ノ瀬先輩」
なんだか、絡みにくそうな雰囲気だな…。
そういえば、悠希と雨宮先輩の次にアパートに住み始めたのは、一ノ瀬先輩だと聞いた。
一ノ瀬先輩が追い出されたのは、どうやら寮で勝手に猫を飼っていたからだったと思う。
行き場に困っていた一ノ瀬先輩に、悠希がすみれ荘の一室を貸出したらしい。
そして、色々な理由で寮で過ごすことが難しくなった面々が集まって、
いつしかすみれ荘として、1つの寮になったとか。
悠希の行動力と周りからの信頼の厚さは、本当に尊敬に値する。
これで、もっとまともな生徒会長だったら…と思うと、
なんだか残念にも感じるけど。
一ノ瀬先輩に続いて、皆が自己紹介してくれる。
「南條琉生。2年」
だるそうに、目の前の男の子が自己紹介してくれる。
南條君……。こっちもこっちで怖いかも……。


