ルームシェア~7人の王子様~


演奏が終わると、南條君は、ふう、と小さく息をついた。


「すごい…!」


私は精一杯拍手をした。
少しだけ、南條君を見直した。

いつも、ピアノを弾いている時のような顔をしていればいいのに…。


「別にそんなにすごくねーよ」


南條君は、少し恥ずかしそうに頭をかいた。


「ううん、すごいよ…!私、音楽なんてできないから、すごくかっこいい」


その言葉に、南條君はハッとしたように立ち上がった。


「弾いてみるか?キラキラ星くらいなら弾けんだろ」


私はぶんぶん、と、首を横に振る。


「無理無理!私、ずっと音楽は2だし…」


それでもなお、南條君は引かなかった。


「ほら、教えてやるから」


私は南條君の押しに負けて、
しぶしぶピアノの椅子に座った。