「んん………」


どれくらい寝ていたんだろう。
私は壁にかかった時計を見上げる。


3時か…すっごい寝ちゃったな…。


どうやら熱も下がったようで、
だいぶ楽になっていた。

私は顔でも洗おうと洗面所に向かった。



「ふぁ……」


欠伸をこぼしながら洗面所の扉を開ける。
でも、扉を開けた途中で、
私は手を止めた。


「あ…」


洗面所…兼脱衣所には、
トランクス一枚の一ノ瀬先輩がいた。

綺麗な黒髪からは水がしたたっていて、細い身体のラインが艶っぽい。

多分、お風呂上がり直後だったのかも。


って、冷静に分析している場合じゃない!


だけど、私は先輩から目が離せずにいた。

普段は眼帯で隠してある右目が、
しっかりと露わになっていた。

その瞳は、金色に輝いている。
お、オッドアイ…!?