「大丈夫?なんか作ろうか?」
「今日、バイトやねん!へーき!」
誠也は、いただきまーす!、と肉じゃがを頬張る。
ほんと、この子は何食べても美味しそうに食べるなぁ。
すみれ荘の住人、架神誠也は、
お好み焼き屋さんでバイトをしながら、
PCで楽曲を作り提供する仕事をしているらしい。
ほんと、ここの住人のハイスペックには、いつも驚かされるなぁ。
「すみれちゃん、すっかりお腹大きくなったなぁ」
誠也は、ニコニコと私を見つめる。
「うん。あと半年で産まれるんだよ」
私は、少し大きくなったお腹を優しく撫でる。
「楽しみやなぁ。最初にボクの名前呼んでくれんかなぁ?」
誠也は、どんな時でもニコニコしていた。
それも、高校時代から全然変わっていない。
私は、楽しそうに食事をする誠也を、
飽きるまでずーっと見ていた。