ルームシェア~7人の王子様~



「誠也ー、いるー?」


最後の住人の部屋。

トントン、とノックすると、直ぐに部屋の主の返事が返ってきた。


「おーう、あいとるー。入ってぇ」


この家のセキュリティは大丈夫なんだろうか。

でも、これも当たり前すぎる。
すみれ荘の日常だ。


ガチャっと開けると、
私は靴を脱いで家に上がる。


彼はいつものように、
奥のデスクでPCに向かっていた。


「誠也、凛空先輩から肉じゃがの差し入れだよ」


私の声に、誠也はつけていたヘッドフォンをはずすと、こちらを向いた。


「おおお!サンキュー!!ここんとこ、まともなモン食べてへんねん」


ヘッドフォンを机に置くと、

誠也は餌付け前の子犬のように、
ちょこちょことこちらに寄ってきた。