ルームシェア~7人の王子様~




いつものように、
蓮先輩は小さく口を開けるので、
私は薬をポイッと入れてあげる。

なんだかんだ言って、
蓮先輩に甘いんだよなぁ、私。


「もう、お客さんに勧められても、お酒はダメですよ?」


「うん…気をつける…」


蓮先輩は、今も高校時代と同じ幕末喫茶や、その他の喫茶店で働いている。

なんで先輩が接客業…?
っていう疑問は、今も消えないけど…。


そんなことを考えていると、ドアの隙間からハスミンが出てきた。

このアパートでも、蓮先輩はハスミンと二人暮らし?していた。


「ハスミンが蓮先輩のお世話できたらいいのにねぇ〜」

ハスミンの喉をいじりながら、
私がそんな風に呟いていると、
蓮先輩が、うっ、と声をあげた。


「や、やばい………」


口に手を当てたまま部屋の中に入っていく蓮先輩。


私は、呆れて小さくため息をつくと、
玄関に凛空先輩お手製の肉じゃがを置いて、蓮先輩の部屋をあとにした。