いつものように、
蓮先輩は小さく口を開けるので、
私は薬をポイッと入れてあげる。
なんだかんだ言って、
蓮先輩に甘いんだよなぁ、私。
「もう、お客さんに勧められても、お酒はダメですよ?」
「うん…気をつける…」
蓮先輩は、今も高校時代と同じ幕末喫茶や、その他の喫茶店で働いている。
なんで先輩が接客業…?
っていう疑問は、今も消えないけど…。
そんなことを考えていると、ドアの隙間からハスミンが出てきた。
このアパートでも、蓮先輩はハスミンと二人暮らし?していた。
「ハスミンが蓮先輩のお世話できたらいいのにねぇ〜」
ハスミンの喉をいじりながら、
私がそんな風に呟いていると、
蓮先輩が、うっ、と声をあげた。
「や、やばい………」
口に手を当てたまま部屋の中に入っていく蓮先輩。
私は、呆れて小さくため息をつくと、
玄関に凛空先輩お手製の肉じゃがを置いて、蓮先輩の部屋をあとにした。


