ルームシェア~7人の王子様~



「蓮先輩、起きてます?」


この先輩に限っては、
起きてます?と聞くのがルールだった。

高校時代もそう。

この先輩…
一ノ瀬蓮先輩は、とんでもなく朝が弱いから…。


その時、ガチャっと音を立てて、
扉が開いた。


「あっ、蓮先輩、おは ─────」


中から顔を覗かせたのは、
どんよりとしたオーラをまとった……蓮先輩?だった。


「お…おはよう…すみれ……」


やっぱり、蓮先輩だ。


「蓮先輩、どうしたんですか…?」


うっ、と口を抑える先輩。


「二日酔い…酷くて……。薬持ってないか……?」


「あ、ありますよ。お酒苦手なのにそんなに飲むから…」


蓮先輩の部屋を覗くと、
いつも蓮先輩はこんな状態なので、
常に薬を常備していた。