「蓮先輩、起きてます?」
この先輩に限っては、
起きてます?と聞くのがルールだった。
高校時代もそう。
この先輩…
一ノ瀬蓮先輩は、とんでもなく朝が弱いから…。
その時、ガチャっと音を立てて、
扉が開いた。
「あっ、蓮先輩、おは ─────」
中から顔を覗かせたのは、
どんよりとしたオーラをまとった……蓮先輩?だった。
「お…おはよう…すみれ……」
やっぱり、蓮先輩だ。
「蓮先輩、どうしたんですか…?」
うっ、と口を抑える先輩。
「二日酔い…酷くて……。薬持ってないか……?」
「あ、ありますよ。お酒苦手なのにそんなに飲むから…」
蓮先輩の部屋を覗くと、
いつも蓮先輩はこんな状態なので、
常に薬を常備していた。


