あっ、言い忘れていたけれど、 凛空先輩は無事に教員試験に合格。 そして2年ほど前から、 近所の小学校で、1年生の担任をしていた。 楽しそうに生徒のことを話す凛空先輩は、 突然、ハッとして時計を見た。 「やば、時間!これ、みんなに配っておいてもらえるかな?それじゃ!」 凛空先輩は、袋に詰められた肉じゃが入りタッパを私に持たせると、 そのまま駆け足で去っていった。 「は、早い……」 私は凛空先輩の背中を見送りながら、 千尋に別れを告げて、 残る住人たちに肉じゃがを配っていった。