と、そこに、
「すみれさん、おはよう。朝から元気だね」
スーツ姿の凛空先輩がやってきた。
ご察しの通り、雨宮凛空先輩だ。
「凛空先輩、おはようございます!」
私は凛空先輩に軽く頭を下げる。
「これ、肉じゃが作ったから、悠希と食べてよ。はい、千尋も」
凛空先輩は相変わらずの笑顔で私たちにタッパーを渡してくれた。
女子力も、相変わらず健在である。
「凛空先輩って、なんかほんと完璧ですよね」
凛空先輩によってきっちり着こなされたスーツを上下に見ながら、
千尋が感嘆の声を漏らす。
「えっ?なんで?職場では失敗ばっかだよ。この前なんか、ドッヂボールで一番初めに当たっちゃったよ。小学1年生って、ほんとにやんちゃなんだよね」
凛空先輩は、ふふふっ、と
嬉しそうに笑をこぼす。
ほんと、生徒の話をしているときの凛空先輩は、一番幸せそうだなぁ〜。


