「蓮も行っちゃったか…。んじゃ、俺たちも行くか」
悠希は地面においた荷物を持ち上げる。
悠希とは、いつでも連絡が出来る。
でも、今までのように毎日合うことは、
確実に出来なくなってしまう。
それが少し寂しかった。
「そうだね。皆、今までありがと」
凛空先輩は、相変わらずの優しい笑顔を浮かべて、私達一人ひとりと視線を合わせた。
一番長い時間いたのは、凛空先輩かもしれないなぁ。
一緒に料理したり、
買い物行ったり、
相談にのってもらったり。
料理のレパートリーはすっごく増えたし、これからは一人で食事を作らなくちゃいけないけど、凛空先輩の教えのお陰で、全然不安じゃないかも。
「どうせ、寂しくなって榊原サンからすぐ会いに来るんとちゃいます?」
「あ、それ言えてる」
架神君と凛空先輩が、冗談混じりに言った。
「誠也、お前覚えておけよ!!」
悠希の言葉に、みんなの笑い声が重なる。
最後まで、こんなんなんだよなぁ。
「凛空先輩、悠希のこと、よろしくお願いします」
私は頭を下げる。
「あははっ、すみれさんはほんと心配症だね。大丈夫。俺がちゃんと卒業させるからさ」
凛空先輩の優しい微笑みに、
私は胸がギュッとなるのを感じた。
最後なんかじゃないんだ。
まだまだ、これからいくらだって会える。
私は大きく頷いた。


