「おかえり。いいもの見つかった?」
すみれ荘に戻ると、キッチンで料理をしていた雨宮先輩に声をかけられた。
「はい、実はですね…」
私はプレゼントの内容を先輩に話す。
「おぉ!絶対、喜んでくれるね。じゃあ、今日はこっちはいいから、誠也の手伝いしてあげて」
「じゃあ……お言葉に甘えさせていただきます…!」
私は先輩の好意に甘えて、今日は夕食準備ではなくて架神君の妹さんのプレゼントの製作を手伝うことになった。
「雨宮さんまじサンキューっすわ!それじゃあ、すみれちゃん、よろしゅう」
私たちは先輩にお礼を言って、さっそく製作を始めた。
「このサイズなら、多分、今日中には作れるかな。まず、糸通して…」
自分でやりながら、
架神君に一から説明していく。
架神君は意外にも習得が早く、
午後10時を過ぎる前にはほとんど完成していた。


