ルームシェア~7人の王子様~



『おめでとうございまーす!!』


夜、すみれ荘にて。

今日は卒業式だったということで、
すみれ荘でも、ちょっとしたお祝いをしていた。


「先輩ー、唐揚げとってください」


「千尋ー、野菜もたべろよ?」


楽しそうに食事を囲むみんな。
卒寮まで2日。

こうやってみんなで夕食を囲むのも、
あと2回なんだ…。


「あ、そうだ。この際だから言っておくけど、新しい寮長は琉生だから」


「えっ?」


悠希の唐突な言葉に、
琉生君が目を見開く。

そっか、寮長も決めなくちゃいけなかったんだっけ。
でも、琉生君ならちゃんとこなしてくれそうだけど……。


「すみれ荘に入ってくるやつは、お前らが勧誘しない限りはいないけど、寮長くらいは作っとかないとな」


悠希は、なんでもないように言う。


「ちょっ、なんで俺なんすか。誠也がいいと思いますけど」


「はい、拍手」


パチパチと拍手がおこる。
琉生君の抗議はなかったことにされて、
あっけなく寮長が決まった。