ルームシェア~7人の王子様~



「なっ…なにっ…」


私は、滲み始めていた涙を拭う。

その時、
ふわりと悠希の匂いに包まれたと思ったら、
そのまま、唇に温かさが伝わる。

えっ……?


目を見開くと、
薄く笑みを浮かべた悠希の顔が離れていくところだった。

何が起こったのか考えるより早く、
周りからざわめきが広がる。


「可愛い」


ニコッと笑う悠希の胸を、
私は軽く殴る。


「ばっ、バカぁ!!」


こんなに大勢の人前でキスするなんて…!


私が顔を真っ赤にしていると、
周りから拍手がおこった。


なっ、なんで!!?


その日は、あまりにも頭が真っ白になってしまって、私はそれしか記憶していない。


ほんと、これからの学校生活…どうなるんだろ…。