ルームシェア~7人の王子様~



「うわ…流石人気者…」


有紀が顔を引きつらせる。


悠希や凛空先輩、一ノ瀬先輩は、
人ごみにまぎれて見えなくなってしまった。


「しょうがないね…。私は、すみれ荘でも会えるから…」


私は力ない笑顔を浮かべた。

本当は、私が一番に
おめでとう
って言いたかったけど……。


そりゃあ、悠希も凛空先輩も一ノ瀬先輩も、隠れファンはおろか、堂々とファン宣言している子だって、学年問わずいる。

だからしょうがないよね。

一緒に住んでいるだけでも満足できないなんて、私、ダメな子だ……。


と、その時、
人混みをかき分けて、
茶髪の長身が近づいてきた。

手には沢山の手紙や花束を手にしていて、今日は一段と輝いて見える、悠希。


なんで……私のところに…

呆然としていると、
悠希は笑顔のままだんだんと近づいてくる。

みんなの視線が私に集まる。