ルームシェア~7人の王子様~



「あぁ…決まらないなぁ…」


3時を回ったころ、私達はデパート内にあるカフェで休んでいた。

2時間近くかけてデパート内を物色したけれど、
これといったものは、なにも見つからなかった。


「なかなか、難しいもんやなぁ」


架神君も、ハァ、と息をつく。


「いろいろあって目移りしちゃうし…。でも、お兄ちゃんからプレゼントなんて、気持ちがこもってたらなんでも嬉しいんじゃないかなぁ…」


言いながら思う。

気持ちがこもっていれば、
相手に喜んでもらいたいという気持ちがこもってさえいれば、
なんだって嬉しいんだ。


そうか…なんでこんな簡単なこと…。


「架神君」


私は思いついた案を架神君に伝える。


「なんやそれ、むっちゃいいやん!」


架神君がパァと顔を綻ばせる。


「ただ、僕にできるか…」


「大丈夫、私も手伝うから!」


その後、私たちはプレゼントに必要なものを買うと、すみれ荘に戻った。