「あぁ…決まらないなぁ…」
3時を回ったころ、私達はデパート内にあるカフェで休んでいた。
2時間近くかけてデパート内を物色したけれど、
これといったものは、なにも見つからなかった。
「なかなか、難しいもんやなぁ」
架神君も、ハァ、と息をつく。
「いろいろあって目移りしちゃうし…。でも、お兄ちゃんからプレゼントなんて、気持ちがこもってたらなんでも嬉しいんじゃないかなぁ…」
言いながら思う。
気持ちがこもっていれば、
相手に喜んでもらいたいという気持ちがこもってさえいれば、
なんだって嬉しいんだ。
そうか…なんでこんな簡単なこと…。
「架神君」
私は思いついた案を架神君に伝える。
「なんやそれ、むっちゃいいやん!」
架神君がパァと顔を綻ばせる。
「ただ、僕にできるか…」
「大丈夫、私も手伝うから!」
その後、私たちはプレゼントに必要なものを買うと、すみれ荘に戻った。


