「おは……って…千尋珍しいな…」
着込んだパーカーの萌え袖が可愛い、琉生君がリビングに顔を覗かせた。
「おおー!琉生先輩も、ここで2人の合格祈願しましょう」
高城君は、いつも食事を囲む席に座りながら言う。
「普通に飯食おうとしてるだけじゃん」
そう言いながらも、琉生君は大人しく席に着く。
騒がしさに目を覚ましたのか、
すみれ荘の面々がぞろぞろとリビングに入ってきた。
「おはよー。めちゃ寒いなぁ」
いつものテンションの架神君。
「おはようございます…」
いつものシャキッとした様子とは違って、寝癖が可愛い鈴屋君。
「おはよ……」
相変わらず、朝にめっぽう弱い一ノ瀬先輩。
一ノ瀬先輩は、私が倒れた時に保健室まで運んでくれたらしい。
本当に、悠希の時といい、先輩にはお世話になってばかりだ。
でも、本当は気づいてしまっていた。
一ノ瀬先輩から向けられる、
私への気持ち。


