ルームシェア~7人の王子様~



~ 悠希 side ~


「すみれ!!」


保健室の扉を勢いよく開けると、
丁度、蓮が俺の右側からスッと抜けて出ていってしまった。


その背中が、少し悲しそうに見えたのは、多分気のせいじゃない。


俺はすみれに走り寄った。


「すみれ……」


そこには、目の端を濡らしたすみれが横たわっていた。


「……俺、蓮探してくるね」


「俺も行きます」


凛空と千尋はそう言うと扉を閉めた。

保健室は、俺とすみれの二人きりになる。

俺はすみれをギュッと抱きしめた。


ごめんね…ごめんね…。

抱いた身体は、ただでさえ細かったのに、もっと細く感じた。


……俺のせいだ。

こんなにもすみれを傷つけていたなんて、
小さいときからずっと一緒にいたのに、
なんで気づけなかったんだろう?