ルームシェア~7人の王子様~



「佐伯……」


俺はもう一度、佐伯の髪を撫でた。


その時、佐伯の目の端からツーっと雫が垂れた。


「佐伯っ……」


目を覚ますと思って、
ギュッと手を握った。

でも、その涙は、そのまま枕へとシミを作った。


「ゆ………き…」


彼女がそう呟いた声は、
俺の心にでこだました。


俺の手から、
するりと彼女の手が抜ける。


分かってるのに、
俺じゃないって、あんなに分かっていたのに……。

期待しちゃうんだ…笑顔を魅せられるたびに…。


片想いは楽しいなんて言うけれど、
泣いてばかりだ。


「ありがとう……」


少しだったけど、

君の見る世界で笑いあえて、

君の体温を感じて、

幸せでした。


ありがとう。


眼帯の隙間から、
ツーっと涙が流れた。


先輩と
後輩で、

ただの寮生で……。

もう、いいんだ…。