~ 蓮 side ~
「軽いパニック障害ね。少し寝れば治るから。私、これから職員会議なの。起きたら鍵閉めていってね〜」
養護の先生は、俺が返事をするより早くそう言って鍵を置いて行った。
「………よかった…」
俺は、目の前に横たわる佐伯の髪に触れる。
佐伯は、落ち着いた様子で寝てしまっている。
「…蓮は、すごいね」
「えっ?」
左側のベッドに座った凛空が、
不意にそんなことを言った。
「蓮は、いつでも素直で、真っ直ぐで…いつも俺たちの一つ先を行ってる」
凛空の言葉の意味が分からなくて、
俺は首を傾げた。
「俺なんて、まだダラダラすみれさんの背中を追っちゃってるよ…。本当…情けない」
凛空は、前髪を右手でクシャっとすると、暗い表情のままベッドに倒れ込んだ。
……俺だって、佐伯のことを諦めきれたワケじゃない。
今だって気持ちは変わっていなくて…。
でも、大好きだからこそ、
同じくらいの愛を求めてしまうんだ。
愛されたいって、
思ってしまうんだ。


