ルームシェア~7人の王子様~

「ほな、行ってくるでー!」


架神君が玄関から中にいる寮生に声をかける。

翌日、
私たちは予定通りデパートへ行くことになった。


架神君の声を聞いて、
2階から雨宮先輩が下りてきた。


「あれ?2人でどこかいくの?」


「はい。駅前のデパートに」


私が言うと、先輩は怪訝そうな顔をした。


「そうなんだ。珍しい2人組だね」


「妹の誕プレ選ぶの手伝ってもらうんですわ」


架神君の言葉に納得するように頷く。


「さすが、妹思いだね。車には充分気をつけて。あ、そうだ…」


先輩は何か思い出したように、リビングからなにか取り出してきた。


「これ、ポストの前通るなら入れてきて欲しいんだけど、大丈夫?」


先輩から差し出された物を受け取る。

差出人に”雨宮凛空” 受取人に”雨宮 一樹様” と書かれた封筒だった。

ご家族の方に手紙…?


「大丈夫ですよ。それじゃあ行ってきます」


私は先輩から封筒を受け取る。


「ありがとう。それじゃあ、気をつけて」


手を振る先輩を背中に、私たちはすみれ荘を出てデパートに向かった。


途中で、約束のポストに立ち寄り封筒を投函する。