ルームシェア~7人の王子様~


すみれが、倒れた……?


俺の身体は、自然と校舎へと向きを変えていた。

だけど……。


「待ってください。私との約束、忘れたの?」


佳奈が繋いでいた手を、思い切り握る。


「先輩、私と付き合ってくれるんでしょ?…佐伯先輩より、私の方が悠希先輩を絶対に幸せにできる。私の方が、笑わせてあげられる…。そうでしょ?」


佳奈は、今まで見たことがないくらいに悲痛な視線を向けてくる。
俺は、そんな目に怯んでしまう。


「何してるんですか先輩!すみれ先輩のとこに行きましょう!?」


千尋の真っ直ぐな視線。

俺は……どうしたらいい…?


" 誰も傷つけないなんて方法は、結局無理なんだから "


以前、凛空が言っていたのを思い出す。

……そうか。
俺は、誰も傷つけないようにって、
それなのに、一番大切な人を傷つけていたんだ…。

そんな簡単なことに、今の今まで気づかなかったなんて…。