やっぱり、俺にはすみれを幸せに出来ないのかもしれない。
佳奈といて、そう思った。
俺がすみれといたいと思えば思うほど、
すみれを傷つけてしまう。
ごめんね、すみれ。
校門から足を外に投げ出したとき、
不意に誰かにスクバを引っ張られた。
驚いて振り返ると、そこには息をあげた千尋がいた。
「千尋……」
「来てください」
千尋はそれだけ言うと、俺のスクバをグイッと引っ張った。
「ちょっとまっ……」
俺は訳がわからず立ち尽くしていると、
千尋が大きな目で俺を見つめた。
「守るべきものが変わってるんじゃないですか?」
「……なんのことだよ…」
俺は、視線を下げた。
自分がいろんな人を傷つけていることが分かって、千尋の真っ直ぐな目を見たくなかったんだ…。
「すみれ先輩、倒れたんです。悠希先輩がいなかったから…。分かりますよね?」
それを聞いた瞬間、
頭が真っ白になった。


