ルームシェア~7人の王子様~



どうして…
どうしていないの…?

講堂を一周しても、悠希の姿は見当たらなかった。


見落としたハズはない。
あんな派手な見てくれで、
こんなに好きな人を、見つけられないハズがない。


───── 私じゃなかったんだ。


心の中の私が言った。

悠希が選んだのは、大倉さんだったんだ…。


その時、背後から声をかけられた。


「佐伯先輩」


振り返ると、大倉さん。
なんで、こんな時に…。

私は無視して歩みを進めた。

けれど、次にかけられた声が、私を止めさせた。


「悠希先輩なら来ませんよ」


「えっ…?どういう ──── 」


「すみれちゃん!そろそろ本番やで」


大倉さんに聞き返す前に、
架神君が私を呼びに来た。


「すみれちゃん…?」


架神君が怪訝そうに私と大倉さんを見ている。


「あっ…ごめんね、行くね」


私は架神君の元へ走る。

大倉さんの前から去る途中、
彼女がニヤリと笑ったのを、私は見てしまった。


……悠希…お願い…。
そばにいさせて……。