ルームシェア~7人の王子様~



「あの…だから…その……。もう一度、チャンスをくれ」


悠希の熱い視線に、
ずっと見入ってしまう。

なんでだろう。
許せないって、
もう好きじゃないって、
あんなに思っていたのに、

今すぐ君を近くに感じたいと思ってしまう…。


「返事を今すぐなんて言わない。ただ、俺の気持ちを伝えたくて…」


何も言えない私に、悠希の言葉はだんだんと弱くなっていく。


「伝えたかったのは、それだけ。引き止めてごめんね」


悠希はクルッと踵を返して、私に背を向けた。


「待って……待って!」


次に引き止めたのは、私の方だった。
感情より先に悠希に手を伸ばしていた。

悠希は心底びっくりしたように私に顔を向ける。


「来週の定演…見に来ても、いいよ」


「えっ……?」


これが、私に言える最高の返事だと思う。

バンドのみんなと最後の定演に向けて作った曲。

この曲に乗せて、悠希に思いを伝えよう。


意味を飲み込んだらしい悠希は、
元気にコクリと頷いた。