ルームシェア~7人の王子様~



~ すみれ side ~


「すみれちゃん、元気ないやん」


「ッ!?…架神君……ありがと」


今月の定期演奏会に向けた部活の休憩中、ベランダに出て風を浴びていると、架神君が私の頬に冷たく冷えたペットボトルを当ててきた。


「らしくないなぁ。どないしたん?」


架神君はベランダのフェンスに寄りかかると、優しい笑みを浮かべる。


私の周りは、こんなにも優しい人でいっぱいだったんだ…。

少しウルっとくる。


「なんでもないの。ただ、定期演奏会、すっごい緊張するなぁって…」


私のもう一つの悩み。
それがバンド活動。

人前に出るのはそんなに得意じゃないから、今からドキドキしてしまう…。


「なんや、それなら大丈夫」


架神君はガラス戸の向こうで、楽器のチューニングをしている皆に視線を向ける。


「僕も、皆もついとるし、すみれちゃんは一人やないんやから」


「架神君………」


"一人じゃない"


その言葉が、とても心に響く。


私は、一人じゃないんだ。

すみれ荘のみんな、
バンドのみんな、
クラスのみんな、
みんなが、私を支えてくれているんだから。