ルームシェア~7人の王子様~



『先輩、見てほしい画像があるんです』


佳奈は俺を呼び出すなりそう言った。

渋々提示された画像に目をやると、
それは言葉を失うものだった。


蓮がすみれに手を伸ばして、
仲むつまじく笑い合う、まるでカップルなような写真。


『……なにこれ…?』


『たまたま見つけたから、先輩に知らせなきゃって。これで分かったでしょう?悠希先輩は私だけ見ていてくれればいいの』


確かに、驚いた。
少し、傷ついた。

でも、俺だって今していることは、
すみれとは変わらない。

それに、これだけは言える。


『すみれも、蓮も、そんな奴じゃない』


俺はグッとスマートフォンを押し返す。

すると、佳奈はイラッとした顔をする。


『そんなに彼女が大事?どうして私じゃダメなの?』


『俺はすみれが好きだから』


そう言った瞬間、
佳奈は俺のネクタイを引っ張って、
唇を近づけた。

キスされる。

そう思って、グっと佳奈の肩を押し返した。

キスはしていないけれど、
すみれから見れば、そう見えてしまったのかもしれない。