すみれと付き合い始めた直後、
久しぶりに再会した佳奈に、校舎裏で告られた。
はっきり言って、元から好きだったワケじゃなかった。
その時からすみれのことが好きだったから。
ただ、周りの後輩より人懐っこくて、少し仲が良かっただけ。
俺が、ごめん、と断ると彼女は少し驚いた顔をして、泣いて去ってしまった。
心が痛まないと言ったら嘘になる。
その日から、佳奈はやけに俺に絡んでくるようになった。
しつこくすみれのことを詮索してくる。
まさか、今日見かけたように、すみれを傷つけていたなんて、全然思ってなかった。
そして、あの日…。
学校近くの公園に呼び出された俺は、
今日こそは、佳奈のことをしっかりケリをつけるつもりだった。
それなのに…。
俺は回想をあの日に巻き戻す。


