「悠希は、佐伯の彼氏だから…」
「一ノ瀬先輩だって、佐伯先輩と遊んでましたよね?カフェに一緒にいるところ見ましたよ?」
佳奈はスマートフォンをいじると、
カフェで蓮がすみれの髪をいじっている写真を出した。
「相談にのっていただけだから…」
「でも、一ノ瀬先輩は、佐伯先輩が好きですよね?」
その言葉に、蓮は目を見開いた。
確かに、そうなのかもしれない。
蓮だって分かっていた。
でも、自分では、ダメなんだ。
「俺が佐伯を幸せに出来ないなら…佐伯が一番幸せになれる方法を見つけたいから…」
そう言うと、佳奈は固まったように蓮を見上げた。
「嘘です…!そんなの!一ノ瀬先輩は、佐伯先輩を自分のモノにしたいと思ってる!」
「確かに、そうかもしれない。だけど俺は、愛されたいって思うから。大倉さんも、そうでしょ…?」
佳奈は数歩後ずさる。
「私は…悠希先輩が大好き…!悠希先輩だって、そう思ってくれている…!先輩たちこそ、私の邪魔をしないでください!」
「待って……!」
蓮がそう叫ぶより早く、
佳奈は踵を返して去っていった。
1人残された蓮は、
小さくため息をつくと眼帯に手を翳した。


