「なにこれ…?」
「プリクラです。知らないですか?」
「聞いたことはあるけど…」
プリクラ機の中を先輩はキョロキョロと見渡す。
そりゃあそうか。
男の子って、あまりプリクラは撮らなさそうだし、ましてや一ノ瀬先輩が友達とプリクラって……。
私は一ノ瀬先輩を見上げる。
眼帯、外さないのかな…?
私は眼帯を付けていない一ノ瀬先輩の方が好きなのに…。
先輩は、私の視線の意図に気づいたらしく、私と揃う背丈になるまでしゃがんだ。
「外しても…いいよ…?」
私は一瞬躊躇ったけれど、
先輩の髪に手を伸ばす。
艶を放つ髪を耳にかけると、
そのままゆっくり眼帯を外した。
先輩は、ゆっくりと目を開く。
開かれた右眼は、
吸い込まれそうな金色。
やっぱり…素敵……。
「あんまり見るな…」
先輩は恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「素敵です。ほんとに」
「あ…ありがと…」
先輩は前髪で目を隠すように、髪をいじっていた。
騒がしいゲームセンターの中で、
私たちがいるプリクラ機の中だけが、
不思議な雰囲気が漂っていた。


