ルームシェア~7人の王子様~



私たちは、大通りを抜けて商店街を走っていた。


多分、制服を着た男女が手をつないで走っている姿は異様だったと思う。

先輩は眼帯だし、顔が整っているし、背も高いし、一人でいても目立ってしまうのだから。


私は風になびく先輩の黒髪を、
ずーっと見つめていた。


なんか、もう、どうでもいいとさえ思えてきた。

悠希は私を選ばなかった。
ただそれだけの話なんだなって。

そんな風に思えてきた。


別の恋だって、あるんだ。
悠希だけじゃない。
恋の形は沢山あるんだから。


息が上がり始めた時、
先輩が走る速度を落とした。


私たちは路地裏に入ると、
手を離す。


「佐伯…ごめん…大丈夫…?」


先輩も疲れてきていたようで、
ハァハァと息をついている。


「大丈夫…ですけど、何が、あったんですか…?」


息を整えながら問う。


「バイト先の客が…追いかけてきたから…」


…そんなようなことだとは思っていたけど…。