と、
「ッ!?」
「きゃっ!?」
私は、公園の角から走ってきた人にぶつかってしまい、尻餅をついた。
「ごっ、ごめんなさ…」
ぶつかった瞬間、
ふわりと覚えのある香りがして目を開くと、
そこには息をあげた一ノ瀬先輩がいた。
なんでこんなところに…?
「佐伯…!?悪い、大丈夫か?」
先輩は、私が立ち上がりやすいように手を差し延べてくれる。
差し出された手を握ると、
グイッと力強く引き寄せられた。
「全然平気です。先輩は?」
「俺も大丈夫。って…泣いてる…?ごめん、痛かった…?」
先輩は、私が涙ぐんでいるのに気づいたらしくて、カーディガンの袖で私の涙を拭ってくれる。
「ちっ、違います!先輩こそ、そんなに急いでどうしたん ────── 」
言いかけた時、
ドタドタという足音と、
騒がしい声と共に、
数人の女の子たちが先輩の背後から勢い良く走ってくる。
「レン君ー!なんでそんなに逃げるのぉ!」
「次はいつお店にいるの!!?」
先輩は怯えた形相で、
私のスクバを拾って手を握ると、
前を見て走り出した。
「佐伯、一緒に来て…!」
私は訳もわからぬまま、
先輩に引っ張られていく。


