「何してるの…?」
涙を拭いながら見上げると、
傘を私にさしながら見下げる一ノ瀬先輩がいた。
「一ノ瀬先輩…。なんでもないです…。先輩濡れちゃいますよ」
立ち上がって傘を押し返すと、
先輩は少しムッとしたように、私に傘を傾ける。
「でも、泣いてる。俺でよかったら話聞くけど」
先輩の眼差しがあまりにも優しくて、
涙がもっと溢れてきた。
"南條君とも、一ノ瀬先輩とも仲がいい"
そうかもしれない。
あの子が言っていることは、
けして嘘じゃない。
私は、悪い子だ。
悠希だってそうでしょう?
そう思ってしまっている。


